三郷美容室リベルタの佐々木です♪
世の中で『不思議だな~』って思うルール、ありませんか?
私が前から思っていたのは美容師と理容師が似たような職業でも別扱いされている事。美容師の免許を取るためには高校を卒業して専門学校に2年間通い国家試験を受けます。これでもし理容師免許も取りたい場合は再度専門学校の理容科に2年通って国家資格を取得しなければいけません。
美容師と理容師の違いとして一番最初に思い浮かぶのはカミソリの扱いができるかどうか?床屋さんはヒゲ剃りをしますが美容師にはできません。カミソリのスキルを身につけるためにまた2年も学校に通わなくてはいけないなんて時間がかかりすぎて効率が悪いとさえ思ってしまいます。それだったら専門学校を3年制にして、美容師・理容師の免許を統一したらいいのに。そんなことを昔からずっと思っていました。
美容師と理容師は一緒の職場では働けないのがルールとなっています。ですから、1つのサロンに【美容師だけ】【理容師だけ】ということ。理容師と美容師が一緒に働くためにはスタッフ全員が美容師免許と理容師免許、両方を保有していることが条件。2回も専門学校に行って両方の免許を持っている人はほぼいません。ですから、美容師と床屋さんが一緒に仕事をする日はまだまだ遠い先の話になりそうですね。
このように美容業界にも【美容師法】【理容師法】があって、理美容業に関して定めた日本の法律があります。その理美容法にも驚くべき内容が今まであったんです!
美容師は男性のカットをしてはいけない
『え?うそでしょ?』と、思わず言ってしまいたくなる法律ですよね。この法律、知っている人っていたのかな?と思うほど。理美容師でも知ってた人はだいぶ少ないんじゃないでしょうか?
この不可解な法律は1978年に厚生省が規制しました。
【美容師が、コールドパーマネントウエーブ等の行為に伴う美容行為の一環として、カッティングを行うことは、その対象の性別の如何を問わず差し支えないこと。また、女性に対するカッティングは、コールドパーマネントウエーブ等の行為との関連の有無にかかわらず行って差し支えないこと。しかし、これ以外のカッティングは行ってはならないこと】
だいぶややこしいですね(笑)この内容をわかりやすく解説すると、【美容師がパーマをかける時などの際に一緒にカットをするのは性別問わず髪の毛をいじっていいよ!また、お客様が女性の場合はパーマをかけない時でもカットだけしてもOK!でも男性の場合のカットだけの施術はやっちゃダメだよ!!】と、こんな感じの内容です。
なんでやねん。と突っ込みたくなるような話。男性の場合、美容院に行きたいなと思ったらカットだけだと法律にひっかかってしまうのでパーマか、もしくはカラーも一緒にやらなきゃいけないってことです。毎回やりたくもないパーマをかけたり、白髪もないような髪を染めなくてはならないなんて。男は髪をイジメ抜け!って事ですか?!文句をいいたくなるような不思議な法律。それとは反対に、床屋さんでは女性のパーマをかけることは禁止されています。
美容師:『パーマは美容師の技術だ!床屋がパーマをやるんじゃない!』
理容師:『男性カットは床屋の技術なんだから美容師が男性カットするなよな!』
美容師:『じゃあ床屋は男性のパーマだけやって女性のパーマやるなよな!』
理容師:『じゃあじゃあ美容師は女性だけ切って男性のカットやっちゃだめー!』
と、まぁ。あくまでも会話は佐々木の想像ではありますが(笑)【パーマ論争】という名の激しい討論があったのはホントの話。厚生労働省での認識でいうと、男性のカットだけの施術は本来床屋で行うものだと想定しているそうですが、今の時代床屋さんの数も昔と比べてだいぶ減少していますし、床屋一筋ウン十年!という感覚は自分の父親かおじいちゃん世代のイメージ。
実際美容院に男性客は沢山来る
今や男性も美容院でカットするのは当たり前になっています。佐々木もメンズカットが大得意!リベルタでは4割くらいが男性のお客様で、1日の予約が全員男性カットという日もあります。もちろん今まで勤めていた各サロンも男性のお客様は来店していましたし、先輩やオーナーから『男性をカットしてはいけないよ』なんて話をされた記憶もなし。
髪の毛をカットするという施術は理容師も美容師も同じように認められているもの。ハサミを扱うための国家資格で性別分けられたら《免許の意味がない》と思ってしまいます。色々と時代に合っていない美容の法律ですが、2015年7月にようやく見直され、美容院での男性のカットも、床屋での女性パーマも解禁されることとなりました。それでもたった4年前だなんてつい最近の話。ちょっと対応が遅いように感じますよね。
美容室の定休日が火曜日になったワケ
他にも美容業界の知っているようで知らなかったルールをご紹介します!
1920代の頃のお話。当時の美容室は電気で加温してウェーブを作る【電気パーマ】が主流でした。今でいう《デジタルパーマ》の旧式といったところでしょうか。
とにかく当時はみんなパーマをかけていて、どこの美容院でも大量の電力を使っていました。しかし、その頃の日本は戦争の影響で電力不足という問題があり、一番電力の消費が激しい曜日に電力をストップする休電日を設けました。それが東京では火曜日だったんです。月曜定休の美容室が多い地域もありますが、その周辺では月曜日が一番電力消費が激しかった曜日だったということになります。オシャレな女性の間で大人気だった電気パーマも、当時の社会情勢の影響により美容室の定休日ルールを作らざるを得なかったんですね。
今となっては当時の電力不足問題はありませんが、未だに【美容室の定休日=火曜日】というイメージが残っています。実際に三郷美容院リベルタも火曜日定休です。
美容室がそれぞれ定休日をきっちり合わせて取るようになったのには時代の変化とともに別の理由が出てきました。1960年頃から、美容室や理容室の数がどんどん増えていき、今度は同業他社との過当競争が問題となってきたんです。お客様の取り合いにならないよう、美容組合が各都道府県ごとに定休日や営業時間、価格設定までも取り決める《適正化規定》というルールを設けました。これは美容師・理容師にとって【平等に経営する】という意味もあったんでしょうね。今までは電力不足による火曜日定休を、理由は変わりましたがそのまま継続して火曜日を定休日として規制しました。
余談ですが、美容室の休みが火曜というイメージは関東では多いのですが、全国的に見ると月曜休みが一般的というのをご存知でしたか?加入している組合によって決められた定休日が違うのですが関東以外の美容室は月曜定休が多いため、上京してきた人からすると最初は違和感を感じるかもしれませんね!
当時の美容室は組合で決めたルールに沿って運営しなくてはならなかったので、お客様からしても『美容室はどこも火曜日休み』という印象を植え付けたきっかけになったんだと思います。
そこからまた時代は流れて1990年頃からは定休日等の規制が一切できなくなり、現在の美容室のように年中無休や火曜日以外の定休日を自由に決められるようになりました。三郷にある美容室も、あえて定休日を作らないサロンさんや、日曜休みの美容室もあると聞きました。それぞれのオーナーの意思で自由に経営ができるようになった今、各サロンの個性が出て面白いですよね!
今でも火曜日休みの美容室が多いワケ
それでも未だに火曜日休みにこだわるのはちょっとした理由があります。今まで長年火曜日定休だった美容室。お客様のイメージも定着しています。今でも『今日は火曜日だからお休みよね?』と思っている方が多いんです。そこであえて別の曜日に定休日を変更してまでイメージを変える必要もないんですよね。そんな理由でリベルタは火曜日定休を続けています。しかし、他サロンさんが休みの火曜日は営業して他の曜日に定休日を設ける!という考えもアリだと思います。このように美容室それぞれで自由に定休日を決めることができる今、毎日どこかしら営業しているので『今すぐ髪を切りたい!』と思っても駆け込みやすくなりました。
そして、火曜日定休を続けるもう一つの理由が、美容師という職業は新しい技術や薬品等、日々目まぐるしく進化している業界です。その技術と時代についていくには講習会やセミナーに参加して自分のスキルを磨き続ける必要があるのですが、それらの開催日程はほとんどが月曜か火曜日。火曜日定休を続けているサロンさんがまだまだ多いのが現状なんでしょうね。
美容業界には面白いルールが沢山ありますよね!規制緩和された今は自由に美容室を運営できるようになった反面、同業他社との競争は激しくなっていると思います。《好きにやっていいよ!》というのは、ある意味人気サロンと低迷サロンの格差が出やすく、それぞれのオーナーさんは頭を抱えているかもしれません。リベルタはリベルタらしく、これからもお客様に喜んでいただけるサービス向上にこだわり頑張っていきます!!