みなさんこんにちは!美容院リベルタの佐々木です♪美容師が目標とする開業についての道のりをわかりやすく解説します!
【まずはこちらの記事からご覧ください】
第一章 美容室を開業する!と決めたらまずやる事
第二章 美容室を出店する際、テナントを選ぶ方法と考え方
今後を左右するかもしれない!?美容室の事業計画書とは?
今まで頑張って貯めてきた貯金を元手に融資を受けることになると思いますが、その際には必ず面談があります。その面談の時に提出する必要があるのが《事業計画書》です。
アルバイトや就職の時に履歴書を持って面接をしたことがあればなんとなくイメージしやすいはず。今までの自分の経歴を記載して【私はこんな人間です】というざっくりとした履歴を提出しますよね?同じように、【私はこんな想いを掲げて美容室を開業しようと思っています!】と書面にするのが事業計画書になります。
この事業計画書を間違えれば融資が下りないのか?というと、そうゆうわけではありません。そもそも計画書には正解があるわけでもなく、間違いもないです。嘘を書いてはダメですが、必要最低限以上の追加計画書があってもNGという事にはならないということ。自分のアピールをどんどん追加していきましょう!
《大金を他人に貸す》というのは誰にでも許可が出るわけではありません。あなただったら初対面の人に『1000万円貸して!』と言われて事情も何も聞かないでお金を貸すでしょうか?きっとそんな仏のような人はいませんよね。自分だったらどう判断するか?を考えるとより分かりやすくなるはず。
・どんな人なのか?
・どうして大金が必要なのか?
・どんな想いなのか?
・信頼できるのか?
・矛盾してないか?
・この人ならちゃんと返済してくれるか?
これらを自分に置き換えて美容院の事業計画書を書き進めていくとスムーズにいきますよ♪
計画書の枚数は決まっていない
いざ事業計画書を書こうとしたときに、何枚くらいにしたらいいのか?と思うかもしれませんが枚数に規定はありません。しかし、あなたが夢にまでみていた開業の想いが1枚の紙に収まりますか?ものすごい熱量を感じる奇跡の1枚があったとしても、それを他人が見て感動するでしょうか?
私の場合、日本政策金融公庫にて借り入れ申込みをしたのですが、公庫には《創業計画書》というフォーマットの書類が用意されていました。しかし、書く欄が決まっていて簡単そうですがこれだけでは自分の想いを書ききれない!ということからワードで約20枚の事業計画書を追加作成して提出しています。このように、銀行から求められた必要書類が揃っていれば不備にはなりませんが追加書類にてもっとアピールしてもいいので、より確実に信頼してもらうための手段は迷わず選びたいですよね!
まずは自分を知ってもらう
事業計画書にはお店のことだけを書けばいいわけではありません。私の場合まずは店舗創業予定地の商工会へ連絡して開業の意思と融資申し込みの相談を電話しました。そこから担当してくださる商工会の方と面談。まずはここで初めまして1回目。そしてどの融資に申し込むのかをざっくりと話し合って次回のアポを取ります。予定を決めて再度商工会へ出向き、日本政策金融公庫の担当者の方と面談。そしてここで初めまして2回目。直接会うのは以上。
さて、この初対面の限られた時間で自分をどのくらい知ってもらえたでしょう?面談は約1時間から1時間半程度だったように記憶しています。面談終了後もメールや電話でのやり取りはあったものの、直接会ったのはこれっきり。あとは融資が下りて無事に開業すればもちろん会うことはあるかもしれませんが、融資が下りなかったらこれっきり。
また、間違えやすいのが【融資決定を下すのは面談した担当者だけではない】ということに注意!担当者=開業希望者(自分)の意思確認や思考をヒアリングして確認しますが、その後上司などの最終確認をしてから決定されます。ですから、直接会った担当者は1人だけど、決定を下すのは複数人となると私のことを知らない人が書類を見て判断するしかないんですね。面談時に担当者に気に入られようとあらゆる手段を使ってゴマすりしても無意味です(笑)私も面談終了後に『たぶん大丈夫だと思いますがここでは判断できません』と言われました。《たぶん》なんて不確かなセリフに『たぶん?たぶんって何?一体どっちなんだー!』とモヤモヤしたのを覚えています。
しかし面談した担当者はこちら側の味方となって上司にプレゼン代行してくれているようなもの。担当者との面談でいかにアピールするかも大事ですが、人の記憶力には限りがあり、全て取りこぼしなくこちらの熱い想いを伝えてくれるかはわからないと思いませんか?そこで事業計画書で自分が伝えたいことを全て記載しておけば誰が見てもこっちの熱量が伝わるようになります♪
まずは自分の宣材写真を用意。仲間と映っているようなものではなく、1人で映っている写真がベスト。できれば仕事中の風景写真なんかがあると理想です。今ではホットペッパーに掲載している店舗がほとんどで、店舗スタッフ個人の写真をプロカメラマンが撮影してくれるオプションがあるため、自分の写真は保存しておくようにしましょう!自分をアピールするためには見栄えも大事。これから美容室を開業しようとしているのに海やプールでの水着姿や、山や河原で遊んでいる写真ではなく、きちんと【美容師である自分】を伝えたいですよね。履歴書でもそうですが、貼り付ける写真は証明写真できちんと撮影するのと一緒ということ!
そこに今までの経緯、今までいたサロンで学んだこと、今までの自分のスキル、得意なものなどを書き込んでいきます。ここではA4サイズ1枚程度で収まるよう集約しましょう。
どうして開業したいのか?を明確に
自分がどうして美容院を開業したいのか?を再確認しましょう。例えば【地域一番の人気美容師になりたい!】とか【だれからも愛される美容師になりたい!】という漠然とした内容だと『それだと勤め先でも叶うんじゃない?』となりかねません。
《雇われているだけでは出来ないことを成し遂げたい!》という想いが人の心を強く動かします。私の場合は【福祉に特化させ、バリアフリーで車椅子でも来店できる美容室が地域に少ないことから、地域で一番社会貢献できる美容室を作りたいです!】というような内容で美容室の計画書を作りました。福祉やボランティアというのは社会的にも非常に高評価されやすいもの。もちろんそれだけが全てではありませんが、【人の役に立つ社会貢献】に関しては出資したくなるのが世の常です。
ただし、融資されたいがために嘘をつくのはNG!2階物件を選んでおいて車椅子の方を・・・なんて言っても『無理でしょ。』となります。融資決定が下りれば物件内容の書類を提出するのでバレてしまいます。1階物件だったとしても店舗の広さなどみれば一目瞭然。『この広さで車椅子が入れるの?』となればアタフタして信用を失います。
無計画で表面上の社会貢献を連ねても、銀行融資の方々はバカではありません。数多くの融資申し込みを受け付けてきて何人もの人と面談してきています。嘘や矛盾は自分の首を絞めるだけ。ここで開業準備に考え抜いた自分の《コンセプト》が必要になってきます。
※コンセプトの必要性を書いてある記事はこちら!
美容室を出店する際、テナントを選ぶ方法と考え方
今後も自分の掲げたコンセプトが最も大事なことだと理解しましょう。開業前も開店後も、軸がブレないために信念を強く持つことがかなり大事です!
融資はいくら貸してくれる?
理想を掲げるのは意外と簡単かもしれません。条件を無視して夢を語るのは思い浮かびやすいもの。じゃあそこを現実的に考えたとき、銀行融資の人はどう思うのか?が重要です。突っ込みどころ満載の理想論は融資が下りたとしても減額されることもあります。融資の金額は自分で希望を言えますが最終金額は銀行側が決めていきます。
1:お店を開業するために全体でいくら必要なのか?
2:貯金がいくらあるのか?
3:開業費-貯金=融資
例えば1000万円の開業費が必要だとします。貯金は300万。融資希望価格は700万。この金額は多いと思いますか?少ないと思いますか?融資金額の目安としては色々条件が異なりますが貯金額の3分の2を目安にするといいでしょう。この例でいくと貯金300万に対して融資金額は600万が基準になります。理想の1000万まで100万足りないですよね?その差額100万をどうするか。100万分の設備投資を切り詰める?それとも100万分貯金し直す?
このように融資の際に貯金額がいかに大切かわかるかと思います。貯金100万を元手に900万貸してください!というのは非現実的。もちろん例外もあるようで、貯金額が極端に低くても融資が下りることもあるようですがそれは銀行側が【この人からはきっちり回収(返済)できる】と判断できるだけのプランが見えた時だけ。『このビジネスで軌道に乗れば毎月1000万の売り上げを作ることができます!そのためのプランは〇〇で融資金額も1年で完済できます!』なんて話があるのなら、銀行側も多額融資してくれるかもしれませんね。
【融資=あなたへの投資】です。私なら成し遂げることができます!という強いビジョンと熱意が融資担当の人を納得させることができます。1『自分でコツコツ長年500万貯めてきました!でも開業するためにはどうしてもあと100万足りません。どうか100万貸してください!』という内容と2『今まで独立をずっと夢みてきました!でも生活が苦しくて100万しか貯金できなかったので残りの500万をどうか貸してください!』という2パターン。この内容を見てあなただったらどのような印象を受けますか?
1の場合『この人は長年独立開業のために切り詰めて貯金を頑張ってきたけど少しだけ資金が足りないんだな。これだけ努力できる人なら信用できそうだ!じゃあ100万融資します!』2の場合『この人は生活がギリギリなのに理想を掲げて貯金もできないのに融資金額も返済できるだけのやりくりができるのかな?融資は危険だ!』と、思われそうな内容だと思いませんか?融資金額は現実的に、そして確実なプランと必要最低限がベター。借りれるなら満額!という欲張り根性は減額されるか融資失敗の可能性も出てきますよ。
事業計画書はプロに任せれば確実?
創業を決めていざ計画書を作成しようとネットで検索すると事業計画書作成代行やセミナーなど、様々な関連会社がヒットします。しかし、このような専門家に依頼しても【絶対!】はありません。人に任せて不必要なお金を払うよりもこれから先、長年お店を切り盛りしていくのは自分。自分の将来を人に委ねているようでは成功するとは言い難いかもしれませんね。私の場合は美容院の事業計画書も店舗デザインも何もかもすべて自分1人でやり、融資希望額も今思えば結構強気でした。当初商工会担当の方には『この融資金額は最悪減額されるかもしれません』といわれたほど。私自身も確信はなかったですが、ビジョンだけはありました。結果融資希望金額の満額が決定されて、のちに言われたのが『この金額融資はここ最近でも見たことないくらい珍しいですよ!』とのことでした。
このように、プロの代行やセミナーに行かなくても自分でできるということを忘れないでください。全て自分でやるのは《いばらの道》ですが、必ず成し遂げることはできます。だって私にもできましたから♪美容室の事業計画書の書き方に正解はありませんが、ここまで読んで、感がいい方はお気づきかもしれません。融資というのは今までのコツコツ積み上げた努力によって成功を勝ち取るものです!
私の場合、美容院の事業計画書は何年も練り上げて、作っては内容を変更し、作っては書き直し、を繰り返して時間をかけました。そしてその間にも毎月コツコツ貯金をするのを怠らない。プロが書いた事業計画書で融資が成功し希望額を手に入れたとしても、この先返済していくのはあなたしかいません。自分でビジョンがないのに多額の借金を返済できるプランが立てられますか?返済金額もまちまちですが、短期で返そうと思えば毎月の支払額は大きくなり負担になります。毎月の返済を下げようと思えば10年から15年の長期になるため事業を早く軌道に乗せ、廃業させないようにプレッシャーがのしかかります。
プロからアドバイスを聞きたいのであれば無料で相談できる場所もたくさんあります。私が利用していたのは【商工会】や中小企業庁の委託により運営されている【ミラサポ】など、すべて無料で相談できるプロの専門家に相談してきました。ミラサポに関しては最大年3回専門家の方が来てくれて事業計画書を見てもらい意見をもらって参考にしたこともあります。無料でできることはたくさんあります!自分の夢を現実にできる日まで努力を続けて頑張りましょう!(※今では変更されている部分もあります。事前に調べてから相談するようにしましょう♪)
【1人で独立したい】【美容室を開業したい】など、悩んでいたらお気軽にお問合せください☆