SNSを見ていると、保護された猫が新しい家族と出会い、幸せそうに暮らしている姿を目にすることがあります。
最初は人を怖がって部屋の隅に隠れていた猫が、少しずつ人のそばで眠るようになったり。
初めて膝の上に乗ってくれたり。
安心しきった表情で眠っている姿を見ると、
『保護猫を家族に迎えてみたい』
と思う方もいるのではないでしょうか。
私自身も現在、4匹の保護猫と一緒に暮らしています。
それぞれ性格も違えば、家族になるまでの経緯も違います。
一緒に暮らしていると、かわいくて仕方がない瞬間もあれば、体調を心配したり、お世話の大変さを感じたりすることもあります。
だからこそ、実際に暮らすようになって強く感じることがあります。
それは、保護猫を迎えるということは、ただ『猫を飼う』ということだけではないということです。
ごはんを用意して、トイレをきれいにして、かわいがる。
もちろん、それも大切です。
でも、その先には病気やケガをする日が来るかもしれません。
歳をとれば、今までできていたことができなくなり、介護が必要になる可能性もあります。
そして何より、その子がどんな過去を持っているのか、どのくらいで新しい環境に慣れてくれるのかは、迎えてみなければ分からない部分もあります。
それでも、一緒に暮らす時間を重ねるうちに、
『この家は安心していいんだ』
と思ってくれたような瞬間があります。
その小さな変化が、たまらなく嬉しいのです。
この記事では、インターネットで調べた知識だけではなく、実際に4匹の保護猫と暮らしている一人の飼い主として感じてきたことも交えながら、これから保護猫を迎えたいと思っている方に知ってほしいことをお伝えします。
保護猫を迎えることは『かわいそうな猫を助ける』だけではない
保護猫を見て、
『この子を助けてあげたい』
と思うことがあります。
その優しい気持ちは、保護猫と新しい家族をつなぐ大切なきっかけのひとつだと思います。
でも、実際に猫を迎えると、その日から関係は『助ける人と助けられる猫』ではなくなります。
ひとつの命と一緒に暮らす家族になります。
猫にもそれぞれ性格があります。
甘えん坊な子もいれば、一人で過ごすことが好きな子もいます。
抱っこが好きな子もいれば、触られることが苦手な子もいます。
人間が思い描いていた『猫との暮らし』と、実際に迎えた猫の性格が違うこともあるでしょう。
だからこそ、
『こんなはずじゃなかった』
ではなく、
『この子は、こういう子なんだ』
と受け止めていくことも、家族になる過程なのだと思います。
保護猫を迎えることは、一時的にかわいそうな猫を救うことだけではありません。
その子のこれからの人生を一緒に生きていくこと。
迎える前に、まずそこを考えてほしいと思います。
保護猫は最初から心を開いてくれるとは限らない

新しい家に来た猫が、すぐに膝の上に乗ってゴロゴロ甘えてくれる。
そんな生活を想像している方もいるかもしれません。
もちろん、比較的早く新しい環境に慣れる猫もいます。
でも、すべての保護猫がそうとは限りません。
知らない場所。
知らない匂い。
知らない人。
猫からすれば、ある日突然、生活する環境が大きく変わることになります。
保護されるまでにどんな経験をしてきたかによっては、人に対して警戒心を持っていることもあります。
家具の陰から出てこない。
近づくと逃げてしまう。
触ろうとすると嫌がる。
そんな姿を見ると、
『私のことが嫌いなのかな』
と寂しくなるかもしれません。
でも、そこで無理に距離を縮める必要はないと思います。
人間のペースではなく、その猫のペースを待ってあげること。
昨日より少し近くに来てくれた。
同じ部屋で眠ってくれた。
初めて自分から近づいてきてくれた。
そんな小さな変化を積み重ねながら、少しずつ『家族』になっていく。
その時間も、保護猫と暮らす大切な時間のひとつです。
ごはんだけではない。医療費や生活環境も考えておく
猫を迎える前には、かわいさだけではなく現実的な部分も考えておく必要があります。
毎日のごはん。
猫砂やトイレ用品。
爪とぎやキャットタワー。
季節によってはエアコンなどの温度管理も必要になります。
そして忘れてはいけないのが、病院にかかる可能性です。
健康診断やワクチン、不妊・去勢手術などに加えて、病気やケガをすれば治療費が必要になります。
歳を重ねれば、通院する機会が増えることもあります。
環境省も、飼い主には動物の健康と安全を守り、最後まで責任を持って飼うことを求めています。また、むやみな繁殖を防ぐための不妊・去勢や、迷子対策として所有者を明らかにすることも重要としています。
猫を安全に飼う環境についても考えておきたいところです。
環境省は、屋外には交通事故や感染症などの危険があることから、猫の室内飼育を推奨しています。上下運動ができる場所や安心して休める場所などを整えれば、室内でも猫のニーズに配慮した環境をつくることができます。
『猫1匹くらいなら何とかなる』
ではなく、
10年、15年、その先まで生活が続くと考えて準備しておくこと。
それも、大切な愛情のひとつだと思います。
迎えたその日から『この子の一生』を預かるということ
子猫だった猫も、いつか歳をとります。
今は元気いっぱいに走り回っていても、何年か先には高い場所へ登ることが難しくなるかもしれません。
病気になることもあるでしょう。
介護が必要になる可能性だってあります。
そして、自分自身の生活も変わるかもしれません。
仕事が変わる。
引っ越しをする。
家族構成が変わる。
経済状況が変わる。
人生には、迎えた時点では想像できないことが起こります。
だからこそ保護猫を迎える前には、
『今、飼えるか』
だけではなく、
『この先、生活が変わっても一緒に暮らし続けられるか』
というところまで考えてほしいと思います。
環境省の譲渡に関する資料でも、病気やケガをした場合の治療を含めた終生飼養、完全室内飼育、不妊・去勢、迷子対策などが譲渡を受ける際の重要な条件として示されています。
少し重たい話に聞こえるかもしれません。
でも、これは保護猫を迎えることを諦めてほしいからではありません。
むしろ、迎えたあとに人も猫も幸せに暮らしてほしいからこそ、迎える前に考えてほしいことなのです。
れでも、保護猫と暮らして初めて知った幸せ

ここまで読むと、
『保護猫を迎えるって大変そう』
と思う方もいるかもしれません。
確かに、大変なことはあります。
4匹いれば性格もそれぞれ違いますし、心配することも増えます。
それでも私は、保護猫たちと暮らすようになって、猫がいなかった頃には知らなかった幸せをたくさん教えてもらいました。
仕事から帰ったときに迎えてくれる姿。
気がつくと近くで眠っている姿。
何でもないおもちゃで夢中になって遊んでいる姿。
そして、最初は少し距離があった子が、ある日そっと近くに来てくれた瞬間。
人間から見れば小さな出来事でも、そのひとつひとつが、とても嬉しいのです。
『助けてあげた』
と思って迎えたはずなのに、気がつけばこちらのほうが毎日たくさんのものをもらっている。
そんなふうに感じることもあります。
保護猫だから特別なのではありません。
一緒に生活して、ごはんを食べて、眠って、歳を重ねていくうちに、いつの間にか『保護猫』ではなくなるのです。
ただの、大切な家族になります。
それが、実際に保護猫と暮らしてみて、私が一番強く感じていることかもしれません。
まとめ|保護猫を迎えることは『家族になる』ということ
保護猫を迎えることは、とても素敵な選択肢のひとつです。
でも、『かわいい』『助けてあげたい』という気持ちだけで終わるものではありません。
性格も違う。
新しい環境に慣れるまでの時間も違う。
病気になることもあれば、いつか歳をとり、介護が必要になる日が来るかもしれません。
それでも、一緒に暮らしながら少しずつ信頼関係が生まれ、いつの間にか『保護猫』ではなく、かけがえのない家族になっていきます。
だから、これから保護猫を迎えようと思っている方には、迎える前に一度だけ考えてみてほしいのです。
『かわいいから飼いたい』の、そのもう一歩先。
『この子の一生を、家族として一緒に生きていけるだろうか』
その答えが『一緒に生きていきたい』なら、そこから新しい家族との時間が始まるのだと思います。
私自身も現在、4匹の保護猫と暮らしています。
決して楽しいことだけではありません。
それでも、4匹と出会えたこと、一緒に暮らせていることを幸せに感じています。
リベルタでは地域の保護猫活動を応援しています
美容室リベルタでは、サロンで保護猫募金を行い、埼玉県三郷市で活動する『みさと動物愛護クラブ』の保護猫活動を支援しています。
保護猫を家族として迎えることだけが、保護猫活動への参加方法ではありません。
今すぐ猫を迎えることが難しくても、募金という形で応援したり、保護猫について知ったり、その活動を誰かに伝えたりすることも、私たちにできる支援のひとつだと思っています。
一匹でも多くの猫たちが安心して暮らせる場所と出会い、そして新しい家族につながっていくことを願って。
リベルタも小さな美容室ではありますが、これからも地域の皆さまと一緒に、できることを少しずつ続けていきたいと思っています。
保護猫を迎えることも、保護猫活動を支えることも、命をつなぐひとつの方法です。
リベルタが支援している『みさと動物愛護クラブ』の活動については、こちらからご覧いただけます。









